真珠の物語
アコヤ真珠はなぜ美しいのでしょう。
世界中の女性にとって、永遠の憧れの存在であり続けるアコヤ真珠。誕生からジュエリーになるまでをご紹介します。
<アコヤ真珠とは>
世界の養殖真珠の原点といわれる日本のアコヤ真珠は、ほかの真珠に比べて真円に近い球体の物が多く、色やテリが特に美しいと言われています。サイズは直径10mm程度までで、一般的には6~8mmが主流です。母貝/アコヤ貝・採取地/愛媛・三重・九州(長崎・熊本・佐賀・大分)・サイズ/約2mm~10mm・形/ラウンド・セミラウンド・セミバロック・バロック・色/ホワイト・クリーム・ピンク・イエロー・グレー・グリーンなどがあります。
<アコヤ真珠が育つまで>
四季のある日本の海で生まれるアコヤ真珠は、海水温の寒暖差の影響でキメが整い、美しいテリが出ると言われています。真珠の養殖は、まず母貝を育てるところからはじまります。稚貝と呼ばれる小さな貝が母貝に成長するまでに約2年。その間、台風や赤潮などから貝を守りながら、大切に育てていきます。真珠の芯となる核を母貝に入れる作業は、春から夏にかけておこなわれ、高度な技術を要する核入れは、熟練の職人がひとつひとつ手作業で行います。核を入れた母貝はそれを包む真珠袋を形成し、海中で美しい真珠が誕生します。
<珠の選別>
浜あげされたアコヤ真珠は、経験を積んだ専門の職人の手によって、色・形・巻き・光沢などが慎重に見極められ、等級ごとに細かく分類されます。
<ネックレスが出来るまで>
ネックレスは選別された真珠の両サイドから孔を開けていき、中心で貫通させ連台と呼ばれる専用台を用いて真珠の連組みをし、連相(サイズ・色調・テリ)といわれる見た目の印象を整えます。連組みが完了した物は糸通しをした状態で保存し、デザインが決まるとネックレスに加工します。
<真珠の価値を決める7つのポイント>
アコヤ真珠のグレードや価値を見極めるポイントを紹介します。
①巻き
「巻き」とは、核(養殖真珠の芯)の表面を覆っている真珠層の厚さの事で、真珠の耐久性と言う観点からも重要とされています。アコヤ真珠の場合、厚さは僅か0.35~0.5ミクロン(1ミクロン=1/1000mm)。非常に薄いアラゴナイトといわれる炭酸カルシウムの結晶が1000枚以上積み重なって構成されています。
②テリ
「テリ」とは、真珠の持つ輝きのことです。ぼんやりしている物より、強い輝きを放つものが良質とされており、それは真珠層の厚みや均一性、光透過性などで異なります。また、単なる真珠表面の光の反射だけでなく、真珠の内面からの反射光が美しいものが理想的とされています。
③色
真珠の「色」にはダイヤモンドのように統一基準がありません。アコヤ真珠の場合は一般的に黄色・白・グレーの3色に分類されます。上質の真珠は中心と外周部の色に微妙な差があり、全体に虹色がかって立体的に見えるのが特徴です。
④キズ
シミやへこみ(えくぼ)、突起など真珠表面の滑らかな美しさを損なうものを総称して、一般的に「キズ」と呼びます。その数や大きさ、種類、位地などによって真珠の価値は大きく左右され、キズのすくないものほど上質とされています。
⑤形
アコヤ真珠の「形」に関する基準は、他の真珠に比べると非常に厳しく、ラウンド・セミラウンド・セミバロック・バロックに選別されます。丸く、真円に近いものほど価値があるといわれています。
⑥サイズ
珠の直径をmm(ミリ)単位で表現したものを「サイズ」といいます。通常は0.5mm単位で表示します。アコヤ真珠のサイズは一般的に2~10mmとされ、ネックレスには5mm以上の珠がよく用いられています。クオリティが同等であれば、サイズが大きいものほど高価になります。
⑦連相(れんそう)
「連相」とはマッチングともいわれ、ネックレスの珠の揃い方のことで、連相が良いとされるネックレスは、珠の大きさだけでなく、色やテリなどの品質までもが美しく揃っています。
<記念日を祝うパールネックレス>
①成人式のお祝い、結婚のお祝いに
成人や結婚のお祝いに、真珠のネックレス・イヤリング・リングの3点セットをプレゼントしてはいかがですか。かつてはネックレスとイヤリングの組み合わせが一般的でしたが、正式な場ではリングが必要になります。大き目の珠をお求めになれば一生もののジュエリーになります。
②誕生日・還暦・喜寿のお祝いに
文様が連なるモチーフは、慶事が続くという意味で縁起がいいとされています。目上の方への誕生祝いや還暦などのお祝いには、そんなモチーフの贈り物をお選びください。
③真珠婚のお祝いに
「真珠婚」といわれる30年目の結婚記念日には夫から妻へ感謝の気持ちを込めて、リングをはじめとするパールジュエリーを贈る習慣があります。